延命治療について考える

介護の話
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 おじさんは今、介護士として働いております。

 でね、介護の仕事と切っても切れない関係が延命治療なんですね。

 延命治療、回復を目的とせずに機能を停止した身体の器官の代替品を使用することで延命をする行為ですね。

 これね、治療とは少し違うんですよ。

 あくまで延命が目的なので、機能が回復したり以前の生活ができるようになるとは必ずしも言えないんですね。

 意識が回復するとは言えませんし、麻痺や認知症が回復することとは全然別の問題なんです。

 ですからね、おじさんのあくまでも今の時点での価値観ではね、あんまりしてほしいともしたいとも思わないんですけどね。

 だってねえ、延命したからってね、好きなことをしたりね、食べたりすることができるようになるとは限らないわけですよ。

 むしろ生きていくために制限がついた状態でその後の人生を過ごす必要が出てくるんですよ。

 しかもね、代替した器官以外は健康だったりするとね、意外と延命治療後って長生きすることがあるんですよ。

 それこそ10年、20年と生きる方もみえるわけでね。

 そうするとね、仮に自分の親に延命治療をしたとしてね、自分が元気ならいいですけどね、20年後、自分もどうなっているかわからないのにね、延命治療した親の介護もしなくちゃいけない、なんならその負担が子どもや孫にまでかかるかもしれないと思うとね、おじさんは安易に延命治療をしようと思わないんですよ。

 でもね、これ、あくまで今の想像でしか無くてね、しかも身内にそういう対象がいない状況のおじさんの話ですからね。

 実際にね、決断を迫られると、要はね、延命治療しますか、どうしますか、医師から聞かれたときにね、自分の大切な家族の生をね、諦められるのかって思うわけですよ。

 で、実際に仕事でね、延命治療された方の介護もするわけですけど、大変な方もみえるわけなんです。

 なんなら延命治療された方とその身内の方が両方とも90歳超えてしまったりとかね、そうすると子どもも70歳近くになってしまうわけで、下手をすれば子どものほうが先に亡くなってしまっていたりとかね、そういうパターンもあるんですよ。

 そうしますとね、体調を崩されて病院にかかるだけで大変なんです。

 入院どうしますかってこともね、施設の職員は決めることが出来ませんからね。

 ご家族に判断していただかなきゃいけない、原則はね。

 でもご家族も90歳なんですよ。

 自分ならどうでしょう、判断、できますかねえ、ってことなんですよ。

 ま、あくまでこれは一例で、ただそういう未来もありえるってことを冷静にね、現実をみながら考えることも必要で、でも、実際にそういう場面がきたときに感情が勝ってしまうことも可能性としてはあるわけで。

 ただね、おじさんの場合は幸い仕事柄そういうケースを見聞きできますのでね、何かの折に改めて考えたり、嫁さんとも話をしたりしてね、そういう状況になった時の対応をね、決めれれば本当はいいんでしょうけど中々決めきることは難しいのでね、せめて想定しておくことは大事なんだとね、おじさんは思っておるのです。

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