お弁当

エッセイ
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 おじさんのお嫁さんなんですけれどもね、おじさんが仕事のときにはね、お弁当を作ってくれるんですよ。

 もちろん早番や夜勤みたいな時にはね、間に合いませんからそういうときは無理しなくていいって言っているんですけれどもね。

 でもね、間に合う時にはお弁当、作ってくれるんですよ。

 これって改めて考えてみるととても有り難いことでしてね。

 だってね、嫁さんが作ってくれなかったらね、おじさんが自分で作ることになるわけでね、そうなればね、材料を買いに行ってね、お弁当を作る分早起きしてね、洗い物をしてから仕事に行くってことになればね、そういうことに慣れていないおじさんですからね、それだけで疲れてしまいますよねえ。

 それでね、おじさんがお弁当を作るのが面倒臭いってなればね、今度はお弁当を買いに行く時間とお金が必要になりますからねえ。

 そんなふうに考えますとね、ホント嫁さんにはしっかりと感謝を伝えないといけないなあ、なんてことを思うんですよね。

 特にね、嫁さんにはそうしてもらうことが当たり前みたいな気持ちになりやすいですからねえ。

 この当たり前って感覚はね、非常に危険だとね、おじさんは思うんですよ。

 当たり前って思った時点でね、その対象に対してのね、感謝の気持ちがね、ふっと無くなってしまうようなね、そんな気がね、おじさんはするんですよ。

 そうしますとね、段々と感謝の気持ちを忘れてしまってね、本当は周りの人達のおかげでね、おじさんは生きることができているはずなんですけれどもね。

 それを忘れてしまいますとね、人間が傲慢になってしまう気がするんですよねえ。

 卑屈に生きる必要はなくてもですね、謙虚な気持ちをね、大事にしたいとね、おじさんは思うんですよ。

 そしてそれはね、おじさんにとってはとっても大切なことなんですよ。

 ですからね、時にはね、おじさんの当たり前を振り返ってね、改めて有り難いことなんだよとね、感謝を伝えないといけないんだよなんてね、そうやって省みる時間が必要なんじゃないかなあなんてね、おじさんは思うんですよ。

 

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