この日はね、おじさんの職場にね、新人さんが来たんですよ。
まあ新人さんと言いましてもね、介護の仕事が未経験というわけではありませんからね、単純な新人さんとは少し違いますけれどもね。
さらにおじさんはね、教育係というわけでもありませんでしたからね、直接接することは少なくてですね、どちらかと言えば教育係の職員さんがね、業務の説明ができるように時間を作ることがメインだったんですけれどもねえ。
ただね、教育係の職員さんとはね、しっかりと業務をこなしていましたしね、時折笑い声も聞こえましてね、楽しそうな雰囲気も見られましたからね、おじさんは少し安心したんですよねえ。
やっぱりね、介護の仕事ですからね、職場の雰囲気っていうのはとても大事だとおじさんは思っていますからねえ。
職員同士でね、気を遣いすぎてしまうようではね、職場の雰囲気がギスギスしてしまうことが往々にしてありますからねえ。
とりあえずこの日はね、どうやらそんな心配をしなくても良さそうだとね、おじさんは感じたんですよ。
介護の仕事はね、介護技術や要領みたいなものはね、本人にやる気があってね、経験を重ねればね、自然と良くなっていきますからねえ。
そんなものはね、時間が解決してくれますからね、そこはそんなに心配はしないんですよねえ。
でもね、人間同士の相性と言いますかね、その人が持っている雰囲気というのはね、そう上手くいかないことが多いですからねえ。
でね、どちらかと言えばですね、人間同士の相性のほうがね、職場の雰囲気を大きく変えてしまうんですよねえ。
ですからね、どちらかと言えばおじさんはね、そっちの方が気になるといいますかね、心配になるんですよねえ。
それにおじさんの方もね、最初は少しはいい格好をした方がいいかなとかね、ちょっとよそ行きの対応をしようかななんて思うんですけれどもねえ。
ああ、これは無理だな、長続きしないなってね、もうすぐに諦めたんですよねえ。
だってね、上辺を取り繕った対応なんてね、一日、一週間、一ヶ月、一年なんて持つわけがありませんからねえ。
実際には十分も持たなかったわけですけれどもね。
それならね、相手にどう思われるかを気にしながら仕事をするよりはね、無理せず普段のおじさんの仕事ぶりを見ていただいてね、それで応対を考えて貰えればね、それでいいかななんてね、思ったんですよねえ。
猫を被ったまま仕事ができるほど器用じゃあありませんしね、今更無理をして性格を矯正しようなんて思いませんしねえ。
その上でね、素のおじさんとね、新人さんとの相性がそんなに悪いものでなければいいなあなんてね、思っていたんですよねえ。
まあ今のところはね、まだおじさんの仕事ぶりをね、受け入れてもらえるかどうか少し不安はありますけれどもね、どうやらそこまで心配しなくてもいいかなっと思えましたのでね、人知れずおじさんはね、ホッとしていたんですよねえ。
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